チョウとハナ

 世の中の人には2つのタイプがあって、それが「チョウ」と「ハナ」。つまり愛されるために自分から探しにいかなければならないチョウとただ在るだけで愛される才能があるハナだ。

 

私は完全にチョウのタイプなので愛されるために愛を発信しなければならなかった。

 

中学の時に、いまでは魂の片割れのような存在の友人と壮絶に喧嘩していた。周りを巻き込み、部内で派閥争いにもなったほどだ。

 

しかしながらそうやって喧嘩をしていても、私は彼女のことが好きだった。口を聞かなくてもいつかまた仲良くなれると信じきっていた。彼女は私と同じチョウだから、多少の衝突は避けられないのだと自分に言い聞かせていた。

 

チョウとハナは互いに惹かれあって一度結ばれればその絆は確固たるものになるだろう。しかしながらチョウとハナはそれぞれの立場の違いによって真に理解し合えることはない。

 

一方でチョウとチョウはそもそも惹かれ合うことなど無いに等しい。しかしながらもしその壁を越えられることが出来たなら、真に理解し合えるのはチョウとチョウなのかもしれない。